ある森に、光り輝く金色の猫と、ほんとうにさびしいネズミがいました。猫はその美しい金色の毛皮で、森の動物たちから尊敬されていました。一方、ネズミの地味な灰色の毛皮は、誰からも見向きもされませんでした。
猫は豪華な家に住んでいて、いつでも美味しい食事を食べていました。ネズミは小さな穴に住んでおり、食べ物を見つけるのに苦労していました。しかし、ネズミはいつも明るく、困難に立ち向かっていました。
ある日、猫が森を散歩していると、ネズミの小さな穴の前を通りました。その穴からは、ネズミの声が聞こえてきましす。ネズミは毎日必死に穴をほり、粗末な食べ物を探すえいたのです。
猫はそんなネズミを見て心が痛み、自分の豪華な食事を分けてあげることにしました。ネズミは猫の優しさに感謝し、お礼を言いました。猫はそれならと、その後、ネズミの穴に食べ物を置き続けることしました。猫の届ける豪華な食べ物に、ネズミはどんどん依存していきました。
そしてある日、猫が食べ物を持ってきた時、ネズミは言いました。「君がいつも食べ物をくれるから、僕は自分で食べ物を探すことも忘れてしまったんだ」猫は驚き、なぜネズミがそんなことを言うのか理解できませんでした。
その後、ネズミは再び必死に、食べ物の探し方を思い出しました。しかしその過程で何度も失敗し、苦しみます。その間、猫はただ見ているだけで、何も手助けをしませんでした。
何度も挫けそうになりながら、ついにネズミが自分で食べ物を見つけられるようになったとき、猫はもうネズミのことを気にかけなくなっていました。ネズミは再び孤独になり、猫のことを憎むようになりました。
ネズミは自分で食べ物を見つけられるようになりましたが、一方で、猫に対する恨みは一日も消えることはありませんでした。猫はその後も豪華な家で変わらぬ暮らしを続けていましたが、ネズミのことを思いだすと、何か重いものを感じるようになりました。
それからしばらくして、猫は森の中を散歩していると、久しぶりにネズミの穴の前を通りが借りました。穴の中を覗くと、そこにネズミの姿はありません。ネズミはもういないのだと猫は理解しました。
猫は一人で森を散歩し、ネズミのいない寂しい穴を見つめました。その時、猫は初めて、自分が何をしたのか、何が起こったのかを理解したのです。しかし、その時にはすでに遅く、ネズミはもういませんでした。
そして、森は静まり返り、猫は一人で立っていました。その後も森は変わらず、猫も変わらず、ただ時間だけが過ぎていきました。それぞれが自分の生活を続けている中で、何かが変わることはありませんでした。
