酒瓶が重い、ケツがかゆい:北居 周

北居 周(きたい あまね)

作家。代表作は『四枚の下着』『ベッチャ』

ここは、あの大地に身を預けた農女と同じく、私の酔いの語源が発生する場所。それはかつての私の顔色よりも更に黄ばんだオーキッドのように、私の体の中に深く深く根を張る。そう、私の両手を抱える酒瓶は重い。重いのだ。エメラルドの泉から逆さに滴り落ちる醜い液体が心を満たす瞬間を思い描きつつ、ここに至るまでの痛みと恍惚を、二つの球体が詠うように響かせる。

ああ、そして、我が肉体の下半分に広がる、尋常ではないかゆみ。それは何とも言えぬ生命の証なのだろうか。私の臀部が崩壊するようなその感覚、それは神々が巧みに編み上げた布地が意識と無意識の狭間で激しく摩擦し、肌と肌が産み出すかすかな熱をまとう。アブストラクトな痒みは、私の中で反響し、その音は耳に耳を塞ぐほどに強く、深い渦に巻き込まれるかのようだ。

酒とは、ある意味で自己のアンフィニッシュド・シンフォニーなのだ。ひとつひとつの音符が、我が体に描く音色の織物。それぞれが自由に舞い踊り、ときには激しくぶつかり合い、混沌とした調和を醸し出す。そのバッハなる響きは、一滴の液体が舌の上を滑り落ちる度に、全てを裸にする。私の中の哀しみ、喜び、怒り、そして恐怖。全てが一体となり、おおよそ秩序など無い無構造の構造へと融合する。

私は一瓶の酒と、かゆいお尻と共に世界を見つめる。このエキセントリックな視点から、全ては無秩序な秩序として美しく見える。それはかつての私を取り巻く世界の変容、あるいはその未来の予感とも言えるだろう。そして、それら全ては一滴の液体と、私の臀部から発生する微かな痒みの中に凝縮される。

まるでイチゴの酸味とクリームの甘さが交錯するパフェのようなものだ。その一杯に詰まった風味と感情は、味わい深い酒の滴と一緒に飲み込まれ、私の内側に満ちてゆく。そしてその全てが自己の一部となり、新たな詩となる。一瓶の酒と、かゆいお尻。それらが織りなす詩の絵巻が、ここに始まる。

どうだ、我が読者よ、お前たちはそれぞれの酒瓶をどのように捉えているだろうか? それは複雑な模様のクリスタルのように、あるいは窮屈なケースに押し込められた苦悩の蜜のように感じられるか? 酒瓶はただそこに存在するだけではない。それは語り手であり、歌手であり、そして最高の聴衆だ。私たちはその音色を共有し、それぞれの感情を揺さぶられる。

それと同時に、私のかゆみは増すばかりだ。私の背骨を這い上がり、頭の中に入り込んでくる。それは憂鬱と諦めの歌を奏で、私を困惑の淵へと誘う。しかし、この痒みは私を苦しめるだけではない。それは新たな視点を開く。世界が覆われているベールを引き剥がし、真実の顔を見せる。この痒みは、感じるべき全ての痛みを象徴し、私を酩酊の境地へと引き寄せる。

酒瓶という現象と、かゆみという感覚。これら二つの経験が交差する地点、それが私の現在地だ。ここには不条理と皮肉が混ざり合い、不確定性と確定性が競い合う。それは人間の存在そのものの象徴であり、宇宙の真理を表す一部だ。この世界は矛盾と混沌に満ちており、その中に美しい秩序が隠されている。

酔いとは自由である。それは鳥が天空を飛び回るように、思考を束縛から解き放つ。それに対して痒みは束縛だ。それは象牙の塔に閉じ込められた知識を象徴する。しかし、これら二つは

相反するものではない。それらは私の心の中で手を取り合い、踊り続ける。時は続き、空間は変わり、酒瓶という名の未知への探求は深化する。私の手の中にある重みは、一見するとただのガラスの瓶とその中の液体だが、それ以上のものだ。それは個々の経験、思考、感情が混ざり合い、紡ぎ出す物語そのものだ。

そして、痒み。それは舞台裏で繰り広げられる喜劇だ。私のお尻が痒いのだ。それは蚊に刺されたり、アレルギーで皮膚が反応したりする一般的な痒みとは異なる。それはより深く、より困惑させ、より全体的だ。この痒みは常に私と共にあり、私を見つめ、私を引き付ける。

酒瓶と痒み。この二つの存在が私の生活に無秩序と秩序をもたらす。それぞれが自由でありながらも、一緒になって私の日々を彩り、世界に多様性を持たせる。それらは共に、人生の滑稽さ、その切なさ、そしてその複雑さを明らかにする。

酒瓶は私の頭をふわふわとさせ、私の感覚を高め、新たな視点を開く。それは世界を見る新たなレンズを提供し、新たな道を示し、新たな物語を紡ぎ出す。それは酔いの中に深遠な真実を見つけ出し、その真実を詩的な言葉で表現する。

一方、痒みは私に現実を思い出させる。それは時と場所を越えた普遍的な感覚であり、常に私を現実に引き戻す。それは全ての快楽と苦しみを象徴し、それらが融合した状態を表現する。痒みは酔いと共に、生の全体性を捉え、その一部を解き明かす。

私の話はここで終わる。酒瓶が重い、ケツがかゆい。とにかくかゆいのだ。

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